~クリスマスの昼下がり、とある公園にて~
「やまとくん、おはよー!」
「あ、おはよう、らんちゃん」
「冬休みの宿題進んでる?」
「いやぁ、5年になって急に難しくなった気がしない?」
「そう?」
「そうだよ、だって…」
「あ、そんなことより、サンタクロースに何もらった?」
「あ、僕?えー、…金魚」
「そうなんだ、金魚かー、やまとくんが金魚好きだったなんて知らなかったなー」
「うん、まあね…あ、らんちゃんは?」
「実はねー、あたしも金魚」
「え!?ほんとに?金魚好きだったの?」
「えへへ、言ったことなかったっけ?」
「うん、たぶん、初めて聞いた…」
「どんな金魚もらったの?」
「らんちゅうっていうやつ…」
「えー、偶然、あたしもらんちゅうだよー」
「ええ!?そうなの?人気なの!?」
「まあ、そうなんじゃない?」
「すごい偶然だね!でも僕、金魚飼うの初めてだからちょっと不安で…」
「実はあたしも初めてなの」
「そうなの?」
「うん、だからこれから一緒に頑張って育ててこ?」
「そうだね!」
「あ、ねえねえ、これからやまとくんち金魚見に行ってい?」
「うん、おいでよ!」
~1ヵ月前、やまと家の食卓~
「おい、やまと、今年はサンタさんに何をお願いするんだ?」
「え?まだ特に決めてないけど…」
「そうなのか?ほら、いろいろあるじゃないか、あのー、妖怪なんとかとか人気のやつが」
「いやー、だってもう5年だし…」
「でも何かあるだろ、好きなものとか興味あるものとか」
「え、あー、好きなもの……
(好きなもの?好きな…好き…好き?…らんちゃん?)
…らんちy…、あ、いや、なんでもないなんでもない!」
「お?らんちy…らんちゅう?らんちゅうか!?金魚のらんちゅうが好きなのか?」
「ん?あ、そうそう、それ、らんちゅうの金魚のやつが好きかなー、なんて…」
「へー、あ、そうか、父さんも昔飼ったことあったなぁ」
「へえー、あ、そうなんだー、遺伝かなぁ?はははー…」
~2週間前、早朝の通学路~
「やまとくんのお父さん、おはよー!」
「おう、おはよう、らんちゃん!今日も元気だなぁ」
「うん、毎日元気!これからやまとくん迎えに行ってきます!」
「いつも悪いねえ」
「やまとくんのお父さんもお仕事頑張ってねー!」
「ありがとうね、あ、そうそう、もうじきクリスマスだけど、らんちゃんはサンタに何をお願いしたんだい?」
「うーん、まだ何も…」
「そうなのか、早くお願いしないと間に合わないぞ」
「そうなんだけど…あ、やまとくんは何をお願いしたんですか?」
「それは…言えないなぁ」
「えー、教えてよ教えてよー!」
「うーん、しょうがないなぁ、やまとには内緒だぞ」
「うんうん」
「らんちゅう、だって」
「らん、ちゅ、う?」
「らんちゅうっていう種類の金魚だよ」
「へー、やまとくん、金魚好きだったんだ…」
「そうらしいよ」
「へー…、確かにあたしも早く決めないとなー…あ!やばい、行かなきゃ、じゃあ、いってきまーす!」
「はーい、気を付けていってらっしゃい」
「あ、あのぉ…」
「なんだい?」
「今日あたしが聞いたこと、やまとくんには内緒にしといてくださいね」
今日もまた、金魚飼育者が増えました。
きっかけなんてなんでもいいんですよねー。
勘違いであろうと偶然であろうと。
あ、偶然じゃなくて、作戦か(笑)
「やまとくん、おはよー!」
「あ、おはよう、らんちゃん」
「冬休みの宿題進んでる?」
「いやぁ、5年になって急に難しくなった気がしない?」
「そう?」
「そうだよ、だって…」
「あ、そんなことより、サンタクロースに何もらった?」
「あ、僕?えー、…金魚」
「そうなんだ、金魚かー、やまとくんが金魚好きだったなんて知らなかったなー」
「うん、まあね…あ、らんちゃんは?」
「実はねー、あたしも金魚」
「え!?ほんとに?金魚好きだったの?」
「えへへ、言ったことなかったっけ?」
「うん、たぶん、初めて聞いた…」
「どんな金魚もらったの?」
「らんちゅうっていうやつ…」
「えー、偶然、あたしもらんちゅうだよー」
「ええ!?そうなの?人気なの!?」
「まあ、そうなんじゃない?」
「すごい偶然だね!でも僕、金魚飼うの初めてだからちょっと不安で…」
「実はあたしも初めてなの」
「そうなの?」
「うん、だからこれから一緒に頑張って育ててこ?」
「そうだね!」
「あ、ねえねえ、これからやまとくんち金魚見に行ってい?」
「うん、おいでよ!」
~1ヵ月前、やまと家の食卓~
「おい、やまと、今年はサンタさんに何をお願いするんだ?」
「え?まだ特に決めてないけど…」
「そうなのか?ほら、いろいろあるじゃないか、あのー、妖怪なんとかとか人気のやつが」
「いやー、だってもう5年だし…」
「でも何かあるだろ、好きなものとか興味あるものとか」
「え、あー、好きなもの……
(好きなもの?好きな…好き…好き?…らんちゃん?)
…らんちy…、あ、いや、なんでもないなんでもない!」
「お?らんちy…らんちゅう?らんちゅうか!?金魚のらんちゅうが好きなのか?」
「ん?あ、そうそう、それ、らんちゅうの金魚のやつが好きかなー、なんて…」
「へー、あ、そうか、父さんも昔飼ったことあったなぁ」
「へえー、あ、そうなんだー、遺伝かなぁ?はははー…」
~2週間前、早朝の通学路~
「やまとくんのお父さん、おはよー!」
「おう、おはよう、らんちゃん!今日も元気だなぁ」
「うん、毎日元気!これからやまとくん迎えに行ってきます!」
「いつも悪いねえ」
「やまとくんのお父さんもお仕事頑張ってねー!」
「ありがとうね、あ、そうそう、もうじきクリスマスだけど、らんちゃんはサンタに何をお願いしたんだい?」
「うーん、まだ何も…」
「そうなのか、早くお願いしないと間に合わないぞ」
「そうなんだけど…あ、やまとくんは何をお願いしたんですか?」
「それは…言えないなぁ」
「えー、教えてよ教えてよー!」
「うーん、しょうがないなぁ、やまとには内緒だぞ」
「うんうん」
「らんちゅう、だって」
「らん、ちゅ、う?」
「らんちゅうっていう種類の金魚だよ」
「へー、やまとくん、金魚好きだったんだ…」
「そうらしいよ」
「へー…、確かにあたしも早く決めないとなー…あ!やばい、行かなきゃ、じゃあ、いってきまーす!」
「はーい、気を付けていってらっしゃい」
「あ、あのぉ…」
「なんだい?」
「今日あたしが聞いたこと、やまとくんには内緒にしといてくださいね」
今日もまた、金魚飼育者が増えました。
きっかけなんてなんでもいいんですよねー。
勘違いであろうと偶然であろうと。
あ、偶然じゃなくて、作戦か(笑)